令和4年第3回定例会で代表質問いたしました

1 持続可能な社会の構築について
(1) 財政状況及び今後の見通しについて
① コロナ禍における市税収入及び中長期見通しについて

本市の市税収入の見通しは、

コロナ禍ではあるが、顕著な伸びを示すのではと感じている。
そこで、コロナ禍における市税収入及び中長期の見通しについて、伺いたい。

小出市長 新型コロナウイルス感染症は、その未知の脅威から、令和2年4月に1回目の緊急事態宣言が発令されて以来、これまで幾度かの行動制限をもたらし、日常生活や経済活動に大きな影響を及ぼしております。
このような社会・経済情勢にあるものの、本市歳入の大宗をなす市税収入は、令和3年度決算において、法人市民税や固定資産税を中心に、当初見込みを大きく上回り、平成21年度以降では最大となりました。
また、令和4年度におきましても、前年度を超える税収確保が見込まれております。
さらに、臨海部企業においては、石油化学産業を中心に、国際競争力の強化や脱炭素への対応など、新たな価値創出に向けた積極的な設備投資の動きがみられるなど、今後の税収増にも期待をするところであります。
私は市長就任以来これまで、本市産業の中心的な役割を担う臨海部企業の持続的発展を市政運営の柱に据え、新たな設備投資や企業誘致に向け、全国トップクラスの支援策を講じてきたところであり、こうした設備投資の進展は、その成果の一つであると捉えております。
こうしたことから、本市の市税見通しにつきましては、今後一定の間、固定資産税を中心に、安定した税収が見込まれるものの、新型コロナウイルス新規感染者数の高止まりをはじめ、原油価格高騰や物価高など不安要素もありますことから、これらの動向を十分注視するとともに、財政需要の動向も踏まえ、しっかり市政運営に取り組んでまいります。

② 次世代を担う子どもへの投資について
市税収入の見通しが良いのであれば、子ども・若者・子育て世代が住みやすいまちとなるよう大胆な投資を考えて頂きたいと思うが、市長の考えを伺いたい。

小出市長 まちづくりにおいて、未来を切り拓くために最も大切な力は「ひとの力」であります。
次代を担う子どもたちは、無限の可能性を秘めた、いちはらの未来を切り拓く宝であり、災害やコロナ禍の厳しい状況であっても、すべては子どもたちのために、と強い思いを持って市政運営に取り組んでいるところであります。
私は、市長就任以来、未来への投資として位置付け、市原版ネウボラによる切れ目のない支援をはじめ、保育所の待機児童ゼロの達成、小中学校へのエアコン設置や、(仮称)いちはら子ども未来館の整備など、子ども・子育て施策を積極的に展開してまいりました。
様々な施策の成果が発現し、近年の転出者数は減少傾向にあるものの、依然として若い世代の転出超過や出生者数の減少が続き、私は、今、手を打たなければ未来に影を落とす重大な岐路にあるという強い危機感を持ち、7月に策定した「変革方針2022」において、子ども・若者に関する施策を最重要施策といたしました。
子どもが安心して健やかに成長し、思い切り遊び・学べる、また、子育て世代が安心して子どもを産み・育てたいという思いを叶えられるよう、徹底的に応援するとともに、若者が自分らしく活躍できるまちづくりを進めてまいります。
私は、未来に責任を持つ市長として、子ども・若者を最優先に考えるとともに、中長期の財政見通しを的確に把握し、機を捉えた大胆な決断と実行により、子ども・若者・子育て世代に選ばれる、持続可能なまちづくりに挑戦してまいります。

(2)カーボンニュートラルと持続的発展の両立について
① 地球温暖化対策推進計画の見直しについて
地球温暖化対策地域推進計画を見直しされるとのことであるが、どのような点を変更し、また、見直しによりどのような効果を期待されるのか伺いたい
環境部長 本市では、市民・事業者・市が協働し、環境負荷が低減された低炭素社会を実現するため、2030年度の温室効果ガス排出量を、2013年度比で11.4%削減するという目標を掲げて取り組んできた結果、温室効果ガスの排出量は、ほぼ目標を達成したところです。
こうした中、国においては、温室効果ガス排出量を2030年度までに2013年度比で46%削減、さらには、50%の高みに向けて挑戦を続けていくこととされ、また、県におきましても、今年度末までに千葉県地球温暖化対策実行計画を改定し、更なる地球温暖化対策に取り組んでいくこととしております。
このような国、県の動向を踏まえ、市におきましても、国や県の2030年度における温室効果ガス削減目標を踏まえて、更なる温室効果ガスの排出削減に取り組むため、計画の見直しを進めてまいります。
今回の改定では、本市の特性に合わせた、温室効果ガスの目標削減率を見直すとともに、新たな目標達成に向け、これまで取り組んできた、市民や事業者の皆様のライフスタイルやワークスタイルの変革、省エネの徹底と再生可能エネルギーの利用促進などの施策に加え、新たな視点として、廃プラスチックを活用したケミカルリサイクルなどの循環経済への移行推進、などの地球温暖化対策に資する施策を検討いたします。
また、本市発展の礎であり、重要なパートナーである臨海部企業の皆様が取組む脱炭素イノベーションへの支援など、市内企業のカーボンニュートラルに向けた取組を促進する施策についても、庁内横断的な組織である「カーボンニュートラルの実現等に向けたプロジェクトチーム」で検討し、計画に位置付け、市民や事業者の皆様と一体となり、更なる温室効果ガスの排出削減を図り、2050年のカーボンニュートラルの実現と地域経済の持続的発展の両立に取り組んでまいります。

② 脱炭素社会への取組について
資源の循環や脱炭素社会の構築に関心が高まっている中、回収方法が重要な要素であると感じている。そこで、ポリスチレンケミカルリサイクルのシステムをどのように構築されるのか、考えを伺いたい。
企画部長 令和3年度実施の調査結果から、本プロジェクトの目標である年間300トンの使用済みポリスチレン製品を市内回収できる見込みを確認することができました。
また、ポリスチレンケミカルリサイクルのシステム構築の課題を2点抽出したところであり、1点目は使用済みポリスチレン製品の分別回収、2点目はステークホルダー間におけるコスト負担の総合調整であります。
令和4年度においては、1点目の使用済みポリスチレン製品の分別回収につきましては、ごみステーションでの行政回収、資源回収団体による集団回収、公共施設やスーパー等における拠点回収の3つの回収方法別に、回収品目や回収見込量、回収コスト等の課題を検証し、具体的な実施方法を取りまとめてまいります。
また、市民の皆様に対しまして、リサイクルの意義や効果をわかりやすく説明できるよう、CO2排出量の削減効果につきましても、専門的な知見によりエビデンスを検証してまいります。
2点目のステークホルダー間におけるコスト負担につきましては、各ステークホルダーで構成する協議会を今年度中に立ち上げ、市のリーダーシップにより総合調整を図ってまいります。
令和5年度につきましては、モデル地区を定め、一定期間、使用済みポリスチレン製品の試験回収を実施することで、問題点を洗い出し、改善を図った上で、令和5年度下期のプラント稼働に合わせ、市内全域を対象にポリスチレンケミカルリサイクルを展開してまいりたいと考えております。

ポリスチレンのケミカルリサイクルを推し進めるためには、「捨てるという概念を捨てる」という市民意識の醸成が必要であると感じるが、市民意識を変えていくことに対する市の見解を伺いたい。
企画部長 ポリスチレンのケミカルリサイクルの実施に向けては、市民の皆様へ分別に対する意識の浸透を図り、行動変容を促すことが重要であると捉えております。
このため、実際にポリスチレンがどのようにリサイクルされるのか、循環を見える化するなど、市民の皆様への周知方法を工夫することにより、ポリスチレン製品等、プラスチックの資源物としての認知度を高め、分別を行う動機付けにつなげてまいります。
また、「捨てるという概念を捨てる」という再資源化への意識を醸成するため、市ウェブサイトや広報いちはら、市民との対話、また、今年度から新たに実施している放課後児童クラブを対象とした環境学習、これから実施する雑がみ啓発袋の配布等、さまざまな媒体や機会を通じて分別の目的や手順等を周知してまいります。
併せて、今後、実際に試行的な回収にご参加いただくなど、再資源化への理解と意識の浸透を図り、市民の皆様の行動変容を促していきたいと考えております。

市長が思い描くサーキュラーエコノミーの市原モデルとはどのようなものなのか、伺いたい。
小出市長 2050年カーボンニュートラルの実現が求められている今、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした一方通行型の経済構造から、資源循環型の経済構造である「サーキュラーエコノミー」への転換を図ることは、極めて重要であります。
現在、本市臨海部企業では、カーボンニュートラルの実現を最大の使命と捉え、廃プラスチックを活用したケミカルリサイクルの導入や、水素・バイオマスといった新エネルギーへの転換など、新たな技術開発等に取り組んでおります。
さらに本市には、国内最大規模となる4つの石油化学コンビナートが形成されており、活発な企業間連携のもと、ダイナミックな技術革新を生み出す土壌が備わっていることが大きな強みであります。
一方で、私は、カーボンニュートラルへの積極果敢な挑戦を続ける企業トップの方々との対話を重ねる中で、サーキュラーエコノミーの実現には、個々の企業の努力だけでは限界があり、強固な行政との連携が不可欠であると、改めて実感をいたしました。
こうしたことから、私は、市原だからこその強みを活かし、コンビナート企業との強固な連携のもと、一体となって取り組むことにより、各企業の先駆的な事業成果が最大限に発揮できるよう取り組んでまいります。
これにより、その効果が市内中小企業をはじめ広く地域経済に波及し、多くのビジネスチャンスを創出するとともに、地域では温暖化対策や資源循環に対する人々の意識が高まり、モノを「捨てる」から「活かす」行動変容につながるものと確信をしております。
このように、資源の再資源化、循環を通じて、企業と行政の連携が様々な波及効果を生み出し、地域経済や社会に好循環を生み出していく姿こそが、私の目指す「サーキュラーエコノミーの市原モデル」であります。
この実現には、国や県との連携強化が欠かせないことから、本年4月に環境副大臣、5月に千葉県知事、去る9月3日には松野官房長官と、それぞれ対談の機会をいただき、私の思いを直接述べさせていただきました。
庁内では、両副市長をトップとした組織横断のプロジェクトチームを立ち上げ、自治体SDGsモデル事業の一つである、ポリスチレンケミカルリサイクルの実証をはじめ、企業との連携による具体的な取組みを積極的に進めているところであります。
私は、市原モデル実現により、本市が全国の先駆けとなり、次世代の未来を創造する姿を思い描いております。
日本を代表するコンビナートを擁する市長として、機を逸することなく、決断・実行し、多様な主体との連携の輪をさらに広げ、必ずや「サーキュラーエコノミーの市原モデル」を実現するとの強い覚悟のもと、全身全霊で取組んでまいります。

③ 中小企業への支援について
「SDGsのシンボルとなるまち」の実現のため、市民個人への補助と合わせ、中小企業等の法人に対しても地球温暖化対策・脱炭素化に向けた取組への補助制度を創設されてはと考えるが、市の考えを伺いたい。
環境部長 温室効果ガスの排出を削減するためには、市民・事業者・市のそれぞれが、省エネルギーを推進することはもとより、そのエネルギー源を化石燃料由来から再生可能エネルギーへと転換していくことも重要となります。
こうしたことから、市では、これまで、市民の皆様の温室効果ガス排出削減に向けた取り組みとして、太陽光発電設備や蓄電池、電気自動車等、再生可能エネルギーの利用を推進する設備等の導入に対する補助制度を設け、支援を行ってまいりました。
また、中小企業等の皆様には、国の太陽光発電等の再生可能エネルギー導入や電気自動車等の導入の補助制度、県の太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの利用や蓄電池・電気自動車等の導入に対する補助制度について、市ウェブサイトや、商工会議所を通じてご案内しております。
議員ご提案の中小企業等に対する補助制度につきましては、市内企業のカーボンニュートラルに向けた取組をさらに後押しする、効果的な施策と考えられますことから、計画の改定作業の中で中小企業等への更なる支援として検討してまいります。

④ 太陽光発電の適正な運用について
カーボンニュートラル・地球温暖化防止に向け太陽光発電は必要なものであるため、FIT制度で設置される野立ての太陽光発電施設が地域と共生し、適正な事業を実施することが必要と考える。
市の太陽光発電事業への対応の状況について伺いたい。
環境部長 温室効果ガスの排出を削減するため、太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入を進めることは有効であり、太陽光発電事業者が地域と共生し、適正に事業を実施することは、これからの地球温暖化対策を推進していくうえで、SDGs未来都市であり、2050年カーボンニュートラルへの貢献を掲げている市原市において、極めて重要であると認識しております。
こうしたことから、市では、事業者が適正に太陽光発電事業を実施し、地域との共生が図られるよう、工事実施時の騒音防止や、土地の造成等に関係する必要な手続きの情報を整理した「太陽光発電所の設置に関する許認可等手続情報」を冊子としてとりまとめ、庁内関係部署の窓口に設置するとともに、市ウェブサイトでも周知を図っております。
さらに、資源エネルギー庁では、再生可能エネルギー発電事業者が適切な事業を実施するために「事業計画策定ガイドライン」を策定しており、この中で、地域との関係構築のため、事業計画作成の初期段階から地域住民と適切なコミュニケーションを図るとともに、地域住民に十分配慮して事業を実施するように努めることや、事業概要や環境・景観への影響等について、地域住民への説明会を開催するなど、事業について理解を得られるように努めること、を求めています。
市といたしましては、法令等の遵守とともに、ガイドラインに従い事業を実施するよう、事業者に対して指導・助言を行うとともに、市民からの相談内容等を資源エネルギー庁へ報告し、情報を共有し、地域と共生した適正な事業が実施されるように対応してまいります。

⑤ 福増クリーンセンターの在り方について
焼却施設の更新について、人口減少社会のなか、現状と同じ規模の施設にするのか、拡張するのか縮小するのか判断が難しいのではと考えるが、現時点での考えを伺いたい。
環境部長 新焼却施設につきましては、令和14年度の供用開始に向け、今年度から令和6年度にかけて新焼却施設整備基本計画の策定に取り組んでおります。
今年度は、基礎調査及び現状把握として、施設の立地条件や関係法令等の規制の把握、施設規模等の整理を進めております。
施設規模の検討にあたっては、将来にわたり安定して適切にごみ処理を行うために、ごみ処理量の推計値等を用いて、新しいごみ処理施設の規模を算定することとなります。
このため、計画ごみ処理量の設定では、昨年度見直した「市原市一般廃棄物処理基本計画」の取組によるごみ減量の効果や、平成30年度に策定した「市原市災害廃棄物処理計画」による災害廃棄物量を想定するとともに、ポリスチレン製品等、プラスチックの処理のあり方についても検討を行い、適正な施設規模を見極め、建設費や維持管理費の抑制に努めてまいります。

検討される焼却施設の規模感について伺ったが、同時に収集回数などケミカルリサイクルの観点も含め一体的に検討を図る必要があると思うが、見解を伺いたい。
環境部長 焼却施設の更新に当たり、建設費や維持管理費を抑制するためにも、ごみの減量化・再資源化に向けた施策と一体的に検討を進める必要があると認識しております。
昨年度見直した「一般廃棄物処理基本計画」では、再資源化を推進するため「ごみの分別の徹底」や「サーキュラーエコノミーの構築」を新たに位置付けたところであります。
特にサーキュラーエコノミーの市原モデルの構築については、SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業選定市であり、国内有数の石油化学コンビナートを擁する本市だからこそ、2050年カーボンニュートラルの実現と地域経済の持続的発展の両立を成し遂げなければならない、という意識を市民や事業者の皆様と共有し、連携して取り組んでいく必要があります。
そこで、ポリスチレン製品等のケミカルリサイクルによるごみの減量化・再資源化の効果を一層高めるために、例えば、燃やすごみや資源物の収集回数など、収集運搬体制の見直しを焼却施設の更新と一体的に行うことは、効果的であり、市民のごみ減量化、再資源化の意識の醸成につながるものと考えております。
こうした状況を踏まえ、本市の特性を捉えたより効果的・効率的・経済的な収集運搬体制について、検討する時期にあると認識しておりますので、市民の皆様の意見等の把握に努めながら、調査・研究を進めてまいります。

(3)市原市のまちづくりについて
①公共交通の重要性とまちづくりの関連性について
小湊鐵道について、交通施策だけでなく牛久への居住誘導施策の一環として、小湊鐵道の在り方、市原市にとっての重要性を考えていくべき時に来ていると考えるが、市の見解を伺いたい。
都市部長 本市では、市原市都市計画マスタープランにおいて、小湊鐵道の上総牛久駅周辺を「地域拠点」と  して位置付け、「地域コミュニティを維持し 住み続けられる南部の拠点づくり」を将来像として掲げております。
この将来像の実現に向け、本市が進める「コンパクト・プラス・ネットワーク」のまちづくりにおいて、小湊鐵道は、拠点間や周辺集落を結ぶ公共交通として必要不可欠であるとともに、交流人口の拡大に寄与する観光資源としても、大変重要な存在であると考えております。
このような中、現在、小湊鐵道と市の関係部局に よる定期的な意見交換を行っているほか、牛久地区のまちづくりを考える30代から40代を中心とした若い住民の皆様とも、まちの将来について対話を 進めており、先日は、小湊鐵道の社長にも御参加いただいたところでございます。
この対話の中では、「今住んでいる人が、住みやすいまち」をテーマとして掲げ、小湊鐵道の料金を含めた利用促進策等についても、活発な意見交換が行われるなど、今後も住み続けていく上で、小湊鐵道が欠かせない存在であると、地域の皆様とも共有したところでございます。
本市といたしましては、引き続き、地域住民や 小湊鐵道の皆さんと、まちづくりに向けた対話を 重ねるとともに、関係部局とも連携を図りながら、小湊鐵道の利用促進策も念頭に、牛久の活性化に向け取組んでまいります。

②空き家対策について
空き家等の除却後の土地に対して固定資産税を減免する制度を設けることについて、市の見解を伺いたい。
都市部長 建物敷地への固定資産税につきましては、地方税法に基づく特例措置として、住宅用地となる部分の評価額が減額されるとともに、市街化区域内の敷地の場合、都市計画税も減額し、課税しております。
このため、空き家を取り壊してしまうと、解体費用がかかるだけでなく、先ほどお話がありましたとおり、この特例措置の適用もなくなり、税額が高くなることから、空き家をそのまま放置してしまうケースが考えられます。
しかしながら、空き家が放置され、適正に管理されていない空家等では、倒壊や建築部材の飛散等による危険性の誘発、治安や公衆衛生上の悪化、景観の阻害など、多岐にわたる問題が発生し、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす可能性がございます。
このことから、本市では、空き家問題の早期解決に向けて、「空家等実態調査」以降、令和元年度に「市原市空家等対策計画」を策定するとともに、 令和2年度に「市原市空家等の適正な管理に関する条例」の制定、令和3年度には「市原市空家等除却・活用提案モデル事業」の実施、そして本年度においても「空き家バンク事業(リフォーム等補助)」や「市原市狭小敷地等空家除却支援事業」の実施など、様々な対策を講じているところでございます。
また、昨年度実施いたしました行政代執行による特定空家等に認定した建物の除却や、本年度取組んでおります、相続財産管理人制度による空き家の処分手続など、個別の案件についても、積極的な対応を図っております。
議員ご提案の固定資産税の減免につきましては、建物を除却しても、特例措置と同額の負担を軽減するメリットがある一方で、同じ更地であっても、この制度を受けた場合と、そうでない場合の税額が異なり、税制の基本の一つとなる「税負担の公平性」の観点なども考慮する必要がありますことから、今後、関係部局と協議・調整を図りながら研究してまいります。
空き家対策は、資金面や相続問題、活用方法など、複雑な課題を抱えているケースが多く見られるため、空き家の所有者等にとって、様々な選択肢があることが望ましいことから、空き家の所有者や利用者等のニーズを的確に捉えるとともに、千葉県宅地建物取引業協会など関係機関とも連携を図りながら、より効率的・効果的な施策の推進に取り組んでまいります。

③インターチェンジ周辺の開発について
市原インターチェンジ及び姉崎袖ヶ浦インターチェンジの周辺地域について、今後どのようにして有効な土地利用を進めていくのか、見解を伺いたい。
都市部長 はじめに、市原インターチェンジ周辺につきましては、現在、策定を進めている(仮称)市原市拠点別整備基本計画(五井編)において、小湊鉄道と  国道297号バイパスの間を「産業ゾーン」として位置づけ、土地利用方針をお示ししております。
具体的には、令和8年度以降、市街化区域への編入と併せて、組合施行方式を前提とする土地区画整理事業による整備を想定しており、当該産業ゾーンにおいては、高速道路の利便性を活かした物流等の産業機能を誘導してまいりたいと考えております。
さらに、インターチェンジ西側の「産業保留ゾーン」においても、将来的な産業立地の需要に応じて、段階的な整備を検討してまいります。
次に、姉崎袖ヶ浦インターチェンジの周辺地域につきましては、産業立地の需要を見極めた上で、 開発行為の規制を緩和し、土地利用の転換を図ってまいりたいと考えております。
現在、当該インターチェンジの周辺地域を対象とする、新たな許可基準を条例に規定することについて、検討を進めておりますが、条例の改正に先立ち、当該地域における産業立地の需要を探るため、サウンディング型市場調査の実施に向け準備を進めております。
今後も、市原及び姉崎袖ヶ浦インターチェンジ周辺への産業立地の誘導について、着実に取組を進めてまいります。