平成28年6月定例会で個別質問を行いました


1 消防団について
(1) 無線機について
消防局長 消防団へ貸与する無線機については、指令センターからの命令を

受けるだけでなく、緊急時の現場分団と指揮命令系統の上位である支団本部との双方向の情報伝達の確保が必要であると考えます。そこでお伺いしますが、現在、消防団との災害活動における連絡については、どのように行っているのかお聞かせください。
東日本大震災では、携帯電話の使用が大幅に制限され、消防団員がお互いに情報の伝達を行う手段を持っていないことが、安全な活動を行う上で、一番の問題点として認識され、また、平成25年4月のちば消防共同指令センターの運用開始に伴い、消防救急無線機のアナログ方式からデジタル方式への移行に伴う課題を解決するため、消防団幹部会議において、さまざまな情報伝達の手段について、その性能や効果などを踏まえまして具体的な装備の検討を行いました。
その結果、消防局から消防団の活動指示を伝達する手段といたしまして、消防局と消防団で双方向の通信が行えるほか、支団本部から各分団に直接命令が伝達できるよう、支団本部車など9台の消防車両に車載型の消防救急デジタル無線機を、また85台の分団車両に、消防救急デジタル無線の受令機を配備いたしました。
また、災害現場での情報伝達は、各分団に貸与しております双方向の通信が可能となります特定省電力トランシーバーを活用し、消防活動情報の指示、伝達を実施しております。
さらに効果的な招集・連絡体制を確保するために、携帯電話のメール機能を活用したいわゆる災害情報通信メールシステムにより、メールアドレスを登録した団員の携帯電話に災害情報を一斉に送信できるようにしております。

災害に強い情報伝達ツールとして、デジタルMCA無線システムや高出力のデジタル簡易無線機などの導入が必要であると考えますが、ご見解をお聞かせください。
消防局長 ご提案のありましたデジタルMCA無線機の特徴といたしましては、無線の交信範囲が広く、秘匿性に優れ、災害時でも混信しないなどの利点がある一方、本市の南部地域がエリア外になることや、高額な導入費のほか、年間の使用料などが発生するなどの課題もございます。
また、高出力のデジタル簡易無線機につきましては、5Wの高出力でありますことから、トランシーバーと比較しますと、遠方まで送受信が可能となりますが、主にタクシーや宅配便などの業務用で使用されていることから、秘匿性などの課題と、通話時間に制限があることから、災害活動にはそぐわない面もあります。
いずれにしましても、消防団活動に必要な装備品等につきましては、公設消防との役割分担等考慮いたしまして、その必要性について、消防団との話し合いを経て判断すべきものと認識しておりますことから、消防団と検討してまいりたいと考えております。

(2)防災訓練について
過去の災害の検証をとおして今年度、行われる訓練で新しい取り組みについて伺いたい。
消防局長 過去の災害を踏まえた総合防災訓練の取り組みといたしましては、東日本大震災等を教訓に、2次避難を想定したバス、タクシーによる避難輸送訓練等を取り入れ、実施しているところであります。
さらに、本年4月に発生いたしました熊本地震においては、発災直後の物流や避難所関係の課題が浮き彫りとなったところであります。
一例といたしまして、被災地に届いた大量の支援物資に仕分け作業が追いつかず、避難所に支援物資が届かないという事例や、避難所のトイレ不足に加え、避難所運営に多くの職員が駆り出され、行政の通常業務が停滞するという事例が報告されております。
これらの事例を本市の災害対策における課題と捉え、今年度の総合防災訓練に新たなメニューとして取り入れるため、具現化に向けた関係機関との調整を行っているところであります。
具体的には、加茂学園で行われる避難所訓練では、運営委員会のメンバーとなった市民の方々等が避難所運営における課題を、実際に話し合う機会を確保するなどの避難所訓練の充実強化を図る予定であります。
さらに、有秋東小学校で行われる中央会場での防災訓練と加茂学園で行われる避難所訓練の双方において、市が備蓄する仮設トイレを実際に組み立てる仮設トイレ設置訓練を取り入れる予定であります。
また、より多くの市民の方々に体験していただくため、市民の方々と市職員による避難支援物資の仕分けを行う応急物資仕分け訓練を行う予定であります。
防災訓練は、市民にとりまして防災のあり方を点検・検討する重要な機会でもありますので、今後とも過去の災害等を調査検証した、より実践的で効果のある訓練を実施してまいります。

地区会場の訓練内容を各支所だけに任せるのではなく、市の取り組みとして中央会場の訓練内容を取り入れることで、防災意識の向上と、地域住民にとって価値のある地域密着の訓練内容を作りあげることができると考えるが、見解を伺いたい。
消防局長 現在、地区会場の防災訓練につきましては、中央会場も含めた全会場共通訓練と、災害時に現地災害対策本部となる各支所が消防署や消防団、更には町会などとの協議により、地域特性を活かした訓練メニューを組み合わせ、訓練を実施しているところであります。
各支所が、自助・共助を主体とした地域密着の防災訓練を実施することで、地域の防災・減災につながるものと考えております。
引き続き、市民の方々にとって価値のある防災訓練となるよう、訓練内容について支所と協議していくとともに、アンケート調査により、市民ニーズ等を把握し、訓練内容の改善に努めてまいります。

(3)消防団車両について
消防団車両の運転に関するマニュアル本を配布していただき知識として理解している部分は多いですが、緊急自動車である認識を高めるためや、運転技術を向上させるために、総合防災センターなどを活用し、実際の車両を使いながら具体的な消防自動車の運転講習を設けるべきと思うが、ご見解をお聞かせください。
消防局長 各分団長は、消防団車両の運転を担当する運転責任者を選任し、消防局へ登録申請の手続きを行いますが、あらゆる出場要請に柔軟に対応できるよう、分団によって異なりますが、4名から6名の運転責任者を選任しており、平成28年4月末現在で、全分団で約500名と登録者が多数となっております。
この多数の運転責任者に対して運転講習を実施するには、長期間を要すことや実施場所などの課題が推測されます。
しかしながら、有事の際の緊急走行はより一層の注意が必要であり、緊急自動車の事故防止を図るためには、定期的に実施しております交通安全講習会と併せて必要な講習と考えておりますことから、このような課題を整理しまして、効率かつ効果的に行えるよう実施方法実施内容について消防団と検討してまいりたいと考えております。

2 南市原の活性化について
(1) 地域の拠点づくりについて
平三小学校の跡地について、地域振興や情報発信、地域住民の活力向上の場として、有効活用を希望するが、考えを伺いたい。
教育総務部長 学校規模適正化の実施に伴い、本年3月末に閉校となりました平三小学校の跡地の活用に向けては、
現在、庁内部局への利用希望等について、調査を行っております。
また、地域の方からは、当面は、これまで学校で行っていた敬老会、運動会などの町会行事に使用したい旨の相談も受けております。
このため、しばらくは、町会行事等で使用していただくとともに、備品等の整理期間に充ててまいりたいと考えております。
なお、今後の活用に向けては、利用希望の状況や公共資産マネジメントの取組などを踏まえるとともに、地域の方々の意見も十分に伺ってまいります。

旧平三小学校について宿泊機能を備えた施設などに利活用することで、南市原にとって雇用の確保や、地域住民の活力につながると考えますが、見解を伺います。
企画部参事 今後、公共資産マネジメントの取り組みの中で、公共施設の再配置等を推進してまいりますと、余剰資産がこれまで以上に生じてくることが想定されます。
旧平三小学校など、使用しなくなった公共施設の利活用につきましては、貴重な市民の財産でありますことから、施設の状態や立地条件等を十分考慮し、地域の魅力向上や活性化につながるよう、地域の皆様のご意見を伺いながら検討してまいります。
なお、資産活用の実現に向けましては、民間事業者等のノウハウやアイデア、資金等を最大限取り込むことが大きな推進力になることから、民間活力の導入や官民連携など、柔軟な発想を持って、所管部局との連携を密にしながら、しっかりと取り組んでまいります。

(2)高速バスの活用について
南市原の活性化のため、かつて運行していた高速バスの上総牛久駅への乗り入れを要望したい。高速バスが停車することの利便性を訴えれば、人の定住や移住が促進され街が発展するのではないか。高速バスを活用した街づくりが重要と考えるが見解を伺います。
企画部長 公共交通は街の発展を支える重要な要素であると認識しております。
市では、圏央道 市原・鶴舞インターチェンジの開設に合わせ、地域の振興、及び交通利便性の向上を目的に、パークアンドライド駐車場を備えた市原鶴舞バスターミナルを整備し、南市原の活性化に向けた取組みを総合戦略に位置づけるなど推進しているところでございます。
このバスターミナルの整備により、茂原、勝浦方面と東京・神奈川方面を結ぶ高速バスが、市原鶴舞バスターミナル経由となると同時に増便され、当該施設は南市原および中房総地域の玄関口として位置づけられ、高速バス路線網の拠点となっております。
そのような中、バス事業者は、茂原・勝浦方面から一般道を利用し、上総牛久駅に停車後、国道409号を経由し、木更津北インターチェンジから東京・神奈川方面へアクセスしていた高速バスについては、上総牛久駅での利用者数が少なかったこと、市原・鶴舞インターチェンジを利用することで、大幅な時間短縮が図れることから、全便、市原鶴舞バスターミナルでの発着へと変更されております。
なお、この変更に伴う牛久地区への補完的な対応として、上総牛久駅と鶴舞バスターミナル間には、高速バスへの接続を考慮した路線バスが運行されておりますが、今のところ利用が少ない状況でございます。
これらのことから、バス事業者は現段階での高速バスの上総牛久駅への乗り入れの再開については、難しいとの見解でございます。
しかしながら、人口減少や 高齢化が進行する南市原地域の活力の維持・向上は、本市の人口安定化や発展を目指す上で、重要な課題でございます。
市といたしましては、長期的な展望に立って、南市原の拠点である牛久地区の街づくりと高速バスの活用を含めた交通ネットワークのあり方について、交通事業者等と更なる協議を進めてまいりたいと考えております。