1 市原市総合計画について
(1)都市像の実現について
都市像の実現に向けた市長の決意をお聞かせください。
小出市長 本市は今、人口減少・少子高齢化をはじめ、産業構造の変化や厳しい財政状況などの複雑な課題に直面しており、社会経済情勢が目まぐるしく変化する大きな時代の転換期を迎えております。
私は、このような時代だからこそ、多くの市民の皆様の声をお聴きし、未来をしっかりと見据え、目指す都市像として、「夢つなぎ ひときらめく未来創造都市 いちはら」を掲げさせていただいたところでございます。
この都市像の実現に向けて、最も重要なものは、市原創生に向けた夢を持つ市原市民の行動力と団結力であり、それが束となる地域の力によって、まちづくりを推し進めることであります。
そこで、まちづくりの最大のパートナーである町会・自治会との強力な連携体制を築くとともに、地域活動団体や事業者など、地域のあらゆる力と手を取り合い、地域主体のまちづくりに取り組む決意であります。
このような、ひとや地域の力が最大限に発揮される、地域の特性や個性を活かしたまちづくりを進めるとともに、地域が相互に連携し大きな集合体となって市原市全体の総合力を発揮する、多極ネットワーク型の都市を築いてまいります。
さらに、観光・経済分野をはじめ、あらゆる分野において、近隣自治体との連携を強化しながら、市内外との交流を戦略的に推進し、本市を取り巻く190万人圏域のポテンシャルを本市の発展に活かしてまいります。
私は、これらの取組に全力を傾注し、市民の皆様とともに、市原の未来を切り拓くため、挑戦し続ける覚悟であります。
(2) 基本計画及び実行計画の策定・推進について
財政状況が厳しさを増すなか、基本計画に掲げる今後10年間の施策について、その実効性をどのように確保していくのか伺いたい。
企画部長 厳しい財政状況のもと、健全な財政運営を堅持しつつ、急速に進行する人口減少・少子高齢化をはじめとした諸課題に、的確に対応していくためには、計画の実効性を確保していくことが、大変 重要であると認識しております。
このため、行財政改革に絶え間なく取り組み、財政基盤の強化を図ることはもとより、施策の展開による効果を見据えた、中長期的な財政フレームをしっかりと構築してまいります。
これらの財源を有効に活用していくため、基本 計画においては、各個別分野の計画と連動する計画群の総合化を図るとともに、重要性や緊急性を見極め、特に優先的に取り組む施策を明確にし、実効性を高めてまいります。
また、各分野において客観的な指標に基づく効果検証を実施し、成果重視の観点による着実な進行管理を図ってまいります。
加えて、市民の皆様や企業、有識者など、多くの主体と積極的に対話を重ねるとともに、近隣自治体との連携を強化し、より多角的・広域的な視点から課題解決を図ってまいります。
さらに、昨年度策定しました総合戦略と、第1次の実行計画が最終年度となる2019年度には、これらの施策の成果を見極めるとともに、国の様々な制度改正の動向や、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの影響など、社会経済情勢の変化等を踏まえ、必要に応じて基本計画 全体の見直しを行うなど、しなやかさと堅実さを併せ持った計画行政の運用に努め、実効性を確保してまいります。
基本計画に掲げる施策に紐付く具体的な事業については、これまで実施計画に位置付けられていましたが、今回、名称が実行計画に変更されています。
これまでとの違いや、実行計画という名称に込めた意図についてお聞かせください
企画部長 今回策定いたします実行計画は、成果重視という観点を芯に据え、目標達成に向けて着実に事業を実行し、施策効果を高めていくことに主眼を置いております。
このため、予算との連動をこれまで以上に強化しながら、各分野における施策を具体的に展開する事業を網羅的に実行計画に位置づけるとともに、毎年度において見直しを行い、実効性の確保を図ってまいります。
ここが、これまでの実施計画と大きく異なる点でございます。
このようなことから、計画の名称を実行計画に変更し、これまで以上に、成果を重視した実行力のある計画とするものでございます。
2 新年度予算編成について
(1) 新年度予算編成の特徴について
平成29年度予算は総合計画・実行計画のスタート予算となる。経済情勢等の編成環境が不透明な中にあって、市長はどのような考えの下に編成していこうとされておられるのか。編成の方針・手法等その特徴について伺う。
小出市長 今議会には、総合計画基本構想について御提案させていただいておりますが、これを具現化するものが、実行計画であり、予算編成であります。
そこで、計画のスタートとなる来年度予算編成では、実行計画の策定と予算編成とを密接に連動させ、そして一体化することといたしました。これが大きな特徴であります。
具体的には、各部門の予算要求は、単年度のみではなく、実行計画期間の3年間分とし、総合計画期間での到達目標を見据えた上で、長期的視野に立って組み立てることとしております。
さらに、事業評価、「事務事業の総点検」の結果を反映させることで、計画・予算そして改革が、三位一体となって、計画の着実な推進を目指してまいります。
併せて、新年度予算での重点施策は、実行計画の重点施策と同一の3点を掲げ、計画と予算の一体化を推進してまいります。
その1点目は、「市原市まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げる施策」、2点目は、「ひとの活躍と地域主体のまちづくりに向けた施策」、そして3点目は、「ひとを支える安心・安全の強化に向けた施策」であります。
現在、本市の財政状況は極めて厳しく、今後においても不透明な状況であることは否めませんが、総合計画の目指す都市像の実現は、手をこまねいていては決して達成できません。
私は、予算編成・実行計画の策定を通じ、行財政改革の徹底を図るとともに、経営感覚を持った予算の重点化で、「変革と創造」による新たな未来を切り拓くまちづくりに挑戦していく所存であります。
重点化施策である市原市まち・ひと・しごと・創生総合戦略に掲げる施策、ひとの活躍と地域主体のまちづくりに向けた施策、ひとを支える安心・安全の強化に向けた施策の3点を、どのような理由で選定されたのか、市長の思いについてもあわせてお聞かせください。
小出市長 私は、総合計画に掲げた都市像「夢つなぎ ひときらめく 未来創造都市 いちはら」を実現するためには、その初年度となる平成29年度、さらには第1期の実行計画となる3年間が最も重要であり、この成果がその後の計画の実効性を左右するものと考えております。
そこで、重要課題である人口減少の克服に向け、長期的展望に立った施策を早期に展開し、その効果を好循環へとつなげていくため、「市原市まち・ひと・しごと創生総合 戦略に掲げた施策」を、最優先に取り組む重点施策といたしました。
2点目といたしまして、都市像の実現には、ひとの力と地域の力、これこそが最も 重要であることから、「ひとの活躍と地域 主体によるまちづくりに向けた施策」を重点施策といたしました。
3点目といたしましては、市民が将来にわたって安心して本市に住み続けられるよう、生活基盤の充実・強化を図るため、「ひとを支える安心・安全の強化に向けた施策」を重点施策としたところであります。
私は、計画と予算の一体化の下で、これらの施策に財源を重点的に配分し、新たな市原市のまちづくりに向け、果敢に取り組む決意であります。
(2) 長期財政収支見通しと予算編成について
長期財政収支見通しでの収支不足の総額は、昨年同時期から272億円が改善されたということになるが、今後の人口推計、社会保障経費の動向、公共施設の老朽化の状況を踏まえますと、改善するということは考えづらい面もある。今回の見通しは、どのような要因で前回推計から収支不足が減少となったのか伺いたい。
財政部長 地方財政を取り巻く環境は、景気動向に加え、毎年行われる国の社会保障制度の見直しや、税制改正、また地方財政計画などにより、大幅な変動が余儀なくされております。
したがいまして、これらの変化を十分に捉えた中で、適宜、財政見通しの改定が必要となっております。
議員ご指摘のとおり、この度の見通しでは、昨年同時期の推計結果から、収支不足が大きく減少する結果となりました。
その主な要因は、今回の財政見通しが、今後10年間の総合計画を策定するにあたっての現時点での財政フレームとなりますことから、現在取り組んでいる、あるいは今後取り組もうとする各種政策の効果を織り込むなど、推計の前提条件を一部見直したことによるものでございます。
具体的に申し上げますと、歳入面では、個人市民税の納税者数の推計の前提となる人口について、人口ビジョンの「現状値」から「展望値」に変更したこと、また、固定資産税の償却資産分について、現時点で見込まれる企業の設備投資の動向を反映させたこと、
その他、現在全庁的に進めております、使用料等の適正化による効果を見込んだこと、さらには、近年の財政運営の実情を踏まえた中で、財政調整基金から毎年10億円の繰入を計上したことなどがございます。
また、歳出面では、行財政改革大綱の推進効果として、物件費の伸びを一定程度抑制したこと、さらには、国民健康保険事業特別会計への基準外繰出について、平成30年度からの都道府県単位の広域化移行を踏まえ、一定の減少を予め見込むことといたしました。
したがいまして、一部期待値を含む部分もございますが、これら推計の前提条件の変更により、歳入の増と歳出の減となり、収支不足が前回から減少するという結果となったものでございます。
推計の前提条件を置き換えてもなお収支不足は109億円にも達し、山積する財政需要を考えると、平成29年度編成はもちろん、30年度以降の予算編成においても非常に厳しい面があるものと思うが、どのような考え方で予算編成を進めていかれるのか伺いたい。
財政部長 議員ご指摘のとおり、推計の前提条件を置き換えましても、なお多額の収支不足が見込まれ、さらに、公共施設の大量更新等、財政需要の増大が確実な中で、今後の予算編成・財政運営は、極めて厳しいことが想定されます。
そこで、先に公表いたしました「長期財政収支の見通しと財政運営の基本的な考え方」では、その基本指針として、市債発行額の一定の上限設定、財政調整基金の残高確保等を掲げたところであります。
また、これらの達成に向けて、歳入面では、市税等の徴収率向上、使用料等利用者負担の適正化はもとより、税源確保に向けた産業振興や企業立地促進を、
歳出面では、市単独扶助費の適正化や補助金等、経常経費の一層の縮減、さらには、保険料や各種給付の適正化による特別・企業会計の経営改善などを、取り組むべき方向として掲げたところでございます。
こうした中で、平成29年度予算は、総合計画のスタート予算となりますが、目指す都市像の実現に向けては、新規あるいは拡充を図るべき事業も山積しております。
これら事業を着実に推進することは、ひいては税収増、財政健全化につながるものと考えております。
したがいまして、予算編成にあたりましては、先程申し上げました、財政運営の基本指針等に配慮しつつ、長期的な視点に立った上で、必要な事業・施策に、必要な財源を的確に配分することに、十分留意してまいりたいと考えております。
(3) 投資的経費について
夕張市は、地域再生に向けて、これまでの緊縮財政から一定の投資的事業を実施していくとしている。本市においても10年後のまちを展望する中で、インフラ整備などの投資的経費がどの程度実施できるのかは、住みやすいまちの一つのポイントになるのではないかと考えるが、当局の見解を伺う。
財政部長 予算編成は、税収をはじめとする一般財源をどのように配分するのかがポイントとなります。
配分にあたって、人件費・公債費・扶助費、さらには施設の維持管理費などの義務的・経常的経費へ配分がまず優先され、なお生じた残余が、臨時的・投資的経費に充当されることになります。
こうした中で、近年は、税収が減少する一方、医療・介護など社会保障関連経費が増大の一途であることなどから、投資的経費への配分が縮小の傾向にございます。
しかしながら、公共施設やインフラ施設は、良好な住環境の形成や都市としての魅力の向上を図る上で欠くことができないものとの認識から、厳しい中においても、直近の5年間で、一般会計では、金額ベースで、年間70億円から120億円、割合では8%から13%程度を投資的事業として計上し、実施しているところであります。
特に、安心・安全の確保の視点から、道路橋りょうをはじめとする公共資産の長寿命化対策や排水整備などの浸水対策、また、子育て教育の視点からは、保育所整備や学校耐震化などについて、予算の重点施策にも掲げながら、重点的・計画的な財源配分に努めてきているところであります。
今後も、国県補助金等の特定財源の確保に取り組むとともに、市債や基金の活用さらには行財政改革による投資的経費充当財源の拡大などにより、可能な限り投資的事業への財源配分に努めてまいります。
3 市民が健康で安心して暮らせる医療体制について
(1)救命救急センターについて
救命救急センターの設置に向けた市長の思いについて伺いたい。
保健福祉部長 住み慣れた地域で、いつでも質の高い医療サービスを適切に受けられることは、すべての市民の願いであります。
私は、市民が安心して生活できる市原市を実現するため、救命救急センターは必要不可欠な施設であると、かねてより考えており、その早期整備を、
最重要課題と位置づけ、指定権限を有する千葉県に対して、早期実現に向けた要望書を提出し、保健医療担当部長等と数度にわたり協議を重ねるなど、連携を密にしてまいりました。
さらに、救命救急センターに関しては、市原市医師会など関係者の皆様とも幅広く意見交換を行い、本市の救急医療体制の強化について、意識の共有を図ってきたところでございます。
このたび、救命救急センターの整備に一定の前進が見られましたことは、私にとりましても、大いに喜びとするところであり、ご英断をいただいた帝京大学ちば総合医療センターの関係者の皆様には、深く感謝を申し上げたいと思います。
今後は、市民の積年の念願である救命救急センターの一日も早い開設に向け、県をはじめとする関係機関に対し、より積極的に働きかけを行ってまいります。
(2)医療体制の連携について
救命救急センターの設置により、本市の救急医療はどのような体制になるのか、また、救急医療体制のさらなる充実に向け、市長として今後どの様に取り組んでいくのか伺いたい。
小出市長 現在、本市の救急医療体制は、「初期救急」及び「二次救急」により対応をしております。
このうち、「初期救急」では、市原市急病センターや在宅当番医制により、比較的軽症の救急患者の診療を行っており、「二次救急」では、8病院の輪番制により、入院や手術を必要とする重症患者の診療を行っております。
二次救急体制においては、地域の拠点病院である帝京大学ちば総合医療センター、千葉県循環器病センター、千葉ろうさい病院の3病院を中心に、数多くの救急患者を受け入れていただいており、本市の救急医療体制は、各医療機関の連携と協力により、他の医療圏にひけをとらない運営体制を維持していただいております。
しかしながら、一方で、極めて重篤な救急患者が発生した場合など、市内の救急体制では対応しきれず、やむを得ず、市外の三次救急医療機関に搬送される事例もございます。
こうした事例に対し、今後、市内に新たに「三次救急」を担う救命救急センターが整備されることで、初期から三次までの救急医療体制が、体系的に整うこととなります。
また、将来にわたって安心・安全な救急医療体制とするためには、救命救急センターの開設後も、二次救急及び初期救急の受け入れ体制を、これまでどおり堅持することが極めて重要であり、こうした認識は、二次の輪番を構成する市内の医療機関の皆様にも、ご理解をいただいているところでございます。
このため、私は、本市の医療体制のさらなる充実に向け、引き続き、県や市内医療関係者の皆様と意見交換を重ねながら、これまで培ってきた、連携と協力の関係を一層強固なものとするよう、取り組んでまいります。
4 南市原のまちづくりについて
(1) いちはらアート×ミックス事業について
今回の芸術祭では、限られた予算の中で前回以上の効果を発揮しなければいけないと考えます。また、地域に芽生えた活動団体や地域の動きを発展させて、そこに住む人々・訪れる人々が笑顔になり南市原だけの取り組みでなく、市内全体に伝えていかなくてはと思います。
そこで、次回の開催に向けて、どのように取り組んでいるのか、どこにポイントを置いているのか、具体的な考えをお聞かせください。
また、開催まで4ヶ月程に迫っていますが、本当にやるのか?といった声も聞こえてきます。このような声・不安に思う人々に対する「成功させる意欲」のようなものを、お聞かせください。
経済部参事 「いちはらアート×ミックス」は、アートによって非日常の空間を創出し、多くの人を呼び込みながら、そこを訪れた人々を、地域や教育、農・商工、観光など様々な分野と結び付けていくことにより、交流人口の増加とともに、地元経済への波及効果を高めていこうとするものであります。
これらを実現していくため、今回は、前回に引き続いての現代アートの作品展示等に加え、新たな試みとして、旧白鳥小学校と白鳥公民館を中心とした「地域プロジェクト会場」を設けることといたしました。
具体的には、地域で芸術活動をしている方々・団体等による作品展示やワークショップの開催、市内の商業者等による飲食の提供や 土産品の販売、市内小学生の作品展示、小湊鉄道開業100周年事業との連携企画などを行います。
さらには、小湊鉄道各駅や主要会場へ、市内中学生による手作りウェルカムボードを設置するなど、地域の皆様方が芸術祭に参画していただくための取り組みを拡大いたします。
このように、来春開催の「いちはらアート×ミックス2017」では、地域や関係団体等の力を結集し、多くの方々に関わっていただきながら、みんなで創りあげる市原型の芸術祭とし、たくさんの皆様に南市原へ来ていただくとともに、その効果を市全域へと波及させてまいります。
会派の視察研修で瀬戸内国際芸術祭の会場である小豆島へ行って感じたことは、作品の規模はもとより来場客へのおもてなしとしての「食」の提供・「食」を楽しむということも重要であり、地元の食材を使った郷土料理の提供やジビエ料理の提供など、自然豊かな里山の食材や食事を通しての地域活性化も必要と考えます。次回の芸術祭では、どのような「食」を用意しているのか、お伺いいたします。
また、瀬戸内では、様々な大学との連携を通じて、若い力を地域に取り入れています。いちはらアート×ミックスでも、本市とかかわりのある大学や近隣の大学との連携も活性化策には有効と考えますが、お考えをお聞かせください。
経済部参事 観光客が全国各地の旅先で楽しみにしているものの一つが、現地でしか味わうことのできない食文化であります。
前回の芸術祭におきましても、いくつかの「食」プロジェクトを展開しましたが、その後の平成27年度春の継続イベントからは、旧里見小学校で「里山食堂」を、アートハウスあそうばらの谷で「おもいでの家」を、内田未来楽校で「内田未来カフェ」を、それぞれ地元の団体やJA市原市女性部が自主運営していただいているところであり、着実に売り上げも伸びている状況にございます。
来春の芸術祭においては、これらの地域自らが主体となった取り組みを継続展開していくとともに、地域プロジェクト会場での市内料理飲食店による販売、会場周辺の飲食施設との相互誘客、ジビエ加工品等の提供など、本市の様々な食の魅力をアピールし、来場した皆様が満足していただけるよう積極的に取り組んでまいります。
次に、大学との連携について、お答えいたします。鶴舞には、旧鶴舞青年の家を活用した和光大学のセミナーハウスがあり、学生達が、地域に根差した芸術活動に取り組んでいる事例もございます。
また、本年4月には、本市と帝京平成大学の間で、相互の資源の交流・活用により、地域社会の発展と人材の育成を目指す「連携協力に関する包括協定」を締結しているところであります。
高齢化や核家族化が進行する中で、大学生をはじめとする若者が地域に入って活動することは、地域住民と直接交流できる貴重な機会であり、地域の活性化にもつながりますことから、今回の芸術祭においても、本市に関係する学生や大学等へ広く呼びかけを行い、若者の参画に努めてまいります。
(2)里山の活用について
成田空港や羽田空港から約1時間でアプローチできる「世界で一番近い里山」を今後、どのように活用していくのか、市の見解を伺います。
経済部参事 本市の南部エリアには、豊かな里山が広がっており、そこには、おもてなしの心を持って活動されている地域の方々の存在があり、それもまた、魅力の一つとなっております。
そこで、今後は、訪れた方が、里山の魅力を十分に感じ、何度も訪れてもらえるように、地元ならではの観光メニューを、里山に住んでいる方々と、共に作っていくことに、重点を置いてまいります。
さらに、市内外に向けて、地域で活躍されている方々の活動を広く情報発信するとともに、「世界に一番近い里山」として、効果的なプロモーションを展開してまいります。
今後も、2つの国際空港から近く、市内に3つある高速道路のインターチェンジを利用し、都心から1時間でアクセスできる里山の地理的優位性を十分に活用し、観光振興につなげてまいります。
(3)ゴルフ場数日本一について
市原市はゴルフ場数日本一で、観光入込み客数の約半数がゴルフ場の利用者であるにもかかわらず、今まで行政とゴルフ場の連携した取り組みがあまり見えてこなかったように思うが、今後ゴルフ場数日本一の特長を活かした取り組みについて、どのように考えるか伺います。
経済部参事 市原市のゴルフ場数は、日本一でありますが、これまで、観光面においてゴルフ事業者と連携した取り組みは、十分に行われてこなかったものと考えております。
このため、本年6月1日から市内ゴルフ場支配人会と行政が連携し、ゴルフ場への誘客増加を目的に「ゴルフの街いちはら検討部会」を立ち上げ「プロモーション」と「育成」の2つのワーキンググループにおいて、事業の検討を進めているところでございます。
具体的には、プロモーションワーキンググループでは、ゴルフ客の増加に向けた検討をしており、最初の成果としてはゴルフ場のプレー券を「ふるさと納税返礼品」にすることとし、この11月から20箇所のゴルフ場で100を超えるゴルフプレー券が「ふるさとチョイス」のホームページにメニューとして、登録されております。
11月30日現在、59件、約327万円の申し込みをいただいております。
このほかにも、ゴルフ場への誘客を増やす方策として、スタンプラリー方式で一定数のゴルフ場を巡ると、それに応じて地元農産物などを贈呈する企画を考えております。
また、育成ワーキンググループでは、ゴルフ人口の増加と、ゴルフ場の経営スタッフの育成をテーマに、検討を進めており、ゴルフ未経験者や初心者が、気軽にゴルフを体験していただく教室や、市内小学生を対象としたスナッグゴルフ教室の開催、ゴルフ場を支える地元雇用者の拡大などを目指してまいります。
都心や羽田・成田空港からの地理的条件も良いので、ゴルフ場と連携してゴルフツーリズムの構築を視野に入れた施策の取り組みも観光資源の活用として有効と考えますが、見解を伺います。
経済部参事 本市にあるゴルフ場の特長は、冬場でもプレー可能な温暖な地にあることや、都心や空港から1時間程度という地理的優位性であります。
この特長を活かし、既に一部のゴルフ場では、冬場に雪でプレーできない北海道や東北からのツアーによるゴルフ客の受け入れや、外国人のゴルフプレイヤーの受け入れに取り組んでおります。
今後は、国内外からの、さらなるゴルフ客の増加に向けて、ゴルフツーリズムの体制の構築について、先ほどご答弁しました「ゴルフの街いちはら検討部会」の中で検討を進めてまいります。